古代丹波国探検04

10月22日から2泊3日で丹後半島を旅した様子をダイジェストでお送りしています。

籠神社、眞名井神社で2時間近く費やし、さらに普通の観光(股のぞき)もしっかり堪能した事で、圧倒的に時間が足りなくなり、この後予定していた2ヵ所のうち、どちらか1つしか行けないという究極の選択に迫られてしまいました。
という訳で有名観光スポットの伊根の舟屋はパスして、浦島太郎伝説の地へ向かう事にします。

1日目:古代丹波国探検 01
2日目前編:古代丹波国探検02
2日目中編:古代丹波国探検03
2日目後編:古代丹波国探検04 ← 今ここ
3日目前編:古代丹波国探検05
3日目後編:古代丹波国探検06(完結編)

路線バスの旅

13:26 天橋立ケーブル下-14:17 本庄小学校(丹海バス 蒲入口行)

笠松公園ケーブル駅(府中駅)から徒歩2~3分、国道に出たところに丹後海陸交通のバス停がありました。

このバスがすごい!

乗っているだけで絶景を楽しめてしまい、さらに1時間近く乗っていたのにたったの200円という、コスパを通り越して経営が心配になるレベル超良心運賃
しかも魔法のフリーパスが使える路線という事で、結局ただで乗れちゃいました。

伊根の舟屋へ行くのと同じ路線なので、途中までは観光客(ほとんど外国人)で超満員でしたが、伊根を過ぎたら乗客は地元のおばあちゃんと私たちの3人だけになりました。

最終的に私たちだけになり、運転士さんに目的地を聞かれたので「浦島神社」と伝えると

浦島神社前で降りるよりも、一つ手前の本庄小学校で降りた方が少しだけ近い

と教えてくれる親切っぷり!

言葉のわからない外国人にも丁寧に対応していたし、運転もすごく上手で安心安全運転
ホームページ運賃経路検索システムも使いやすいし、本当に利用者の事を考えてくれているなーと感じました。

こういうチョットした心遣いがあると、旅の印象も良くなるし、また行きたいと思いますよね。

同じ観光地でも超絶横柄殿様商売某地元路線バス会社には、ぜひ見習っていただきたいものです。

浦嶋神社(宇良神社)

なんと御祭神浦嶋太郎
あの昔話で有名な浦島太郎が神様なのです!

といっても、みなさんがよく知っているお話は明治時代に改編されたもので、原作は丹後國風土記浦嶋子(うらのしまこ / うらしまのこ)というお話のようです。
浦の嶋子なのか浦嶋の子なのかは議論の対象になっているみたい)

要約するとこんなお話

時は雄略天皇22年(西暦478年)、筒川庄水之江に浦嶋子という青年が住んでいました。
ある日、浦嶋子が釣りに行ったら五色の亀が釣れ、その亀を舟に置いたまま、うたた寝をしてしまいます。
目が覚めると亀は絶世の美女へと変身しており、浦嶋子は美女に誘われ常世の国へと向かいました。
美女の名前は亀姫。浦嶋子はそのまま常世の国で亀姫と結婚し、夢のような3年間を過ごします。
ある日、故郷が懐かしくなりホームシックになった浦嶋子は、なんとか亀姫を説得し、故郷へと帰るのですが、そこは300年後の世界。
浦嶋子の事を知る人は誰もいませんでした。
そして別れ際に渡された玉手箱を開けてしまい、その体は蘭の花の香のように風に乗り天へと飛んで行ってしまいました。

浦嶋子、筒川大明神として祀られる

このお話を聞いた淳和天皇が、小野篁(おののたかむら)に命じて、筒川大明神として浦嶋子を祀ったのが浦嶋神社の由来だそうです。

大陸との交流と月読信仰

ご由緒には、このあたりを治めていた日下部氏は浦嶋子の子孫で、浦嶋子は、あの天照大御神、素戔嗚尊と並ぶ兄弟神の月讀命の子孫だと書かれていました。

まさかの初日に立ち寄った月読神社、こんなところで伏線回収するとは。

京都の松尾大社は渡来系氏族の秦氏が信仰しており、その摂社に月讀神社があります。
そして1日目に立ち寄った亀岡の月読神社。

時系列で考えると、まず、月読命を信仰する渡来系の一族が丹後半島から上陸し、古代の山陰道を通り京都市内まで到達した、と推測されます。
また、その道すがらにある籠神社、海部氏も、亀の背中に乗っていますから、何らかの関係がありそうですね。

この近くには徐福上陸伝説もあるので、古来から大陸との結びつきが深かったのは間違いなさそうです。

また、宇良神社(うらじんじゃ)という社名も、岡山の桃太郎伝説に出てくる鬼の温羅(うら)と同じ読みですから、もしかしたら古代の人は、大陸から来た人を「うら」と呼んでいたのかもしれませんね。

龍宮に通じる穴

神社から5分ほど歩いたところに龍穴と呼ばれる風穴があります。

浦嶋子はこの穴を通って龍宮へ行ったとか、この穴から帰ってきたとか、いろいろ言われているみたいですが、現在では途中で崩れていて風だけが通り抜ける状態のようです。

周辺の風景と御朱印

なんだか今でも浦嶋子が歩いていそうな風景ですよね。
水之江という地名の通り、浦嶋子の時代、このあたりは海(入り江)だったそうですよ。

浦嶋神社 大改修プロジェクト

こんな素晴らしい由緒のある浦嶋神社ですが、場所が場所だけに氏子さんの数も激減し、維持していくのがとても難しいようです。
そこで寄付による支援を求める、こんなクラウドファンディングをおこなっています。

浦嶋神社 大改修プロジェクト|公益財団法人 京都地域創造基金

https://www.plus-social.jp/project.cgi?pjid=156

日本最古の浦嶋伝説が残る「浦嶋神社」が危機に直面|CAMPFIRE(こちらの募集は終了しています)

https://camp-fire.jp/projects/view/486110

2025年の浦嶋神社創祀1200年祭にむけて、なんとか改修費用を調達できるよう頑張っているみたいです。
興味のある方は、ぜひ、貴重な文化財を守る協力に参加してみてはいかがでしょうか。

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